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名馬を生み名手を育てた地方競馬がまた1つ、存亡の危機に陥った。時の流れ、といえばそれまでだが、競馬ブームが去ってさらに加速がかかった競馬界だが、余力のない地方からやはり切り捨てられるのか。今日、次に紹介する2編の記事を目にした時の腹立たしさは何だったのか。それは、事業としか競馬を見ていない行政の無知には驚きの一言だが、切捨ての先を考えての廃止なのか、さらにそれ以前に感謝の言葉が記事の中には読めてこないのはなぜなのか。やっかいものの整理に安堵の色さえ見え隠れするのはなぜなのか、これは気になる。 笠松競馬、自立的経営も困難--経営問題検討委、中間報告案を了承 /岐阜 経営危機に陥っている笠松町の笠松競馬の存廃を審議している、笠松競馬経営問題検討委員会(委員長・金城俊夫岐阜大名誉教授)は13日、「自立的経営も困難。速やかに競馬事業を廃止すべきだ」とする中間報告案を了承した。同委員会としての最終報告は12月にまとまり、県が存廃の最終結論を出す。 委員会は笠松競馬の経営改善などについて意見を聞くため、県が今年6月、有識者らに委嘱していた。笠松競馬は、80年の馬券売上金(返還金を除く)が約445億円をピークに減少が続き、03年度は約174億円と最低を記録。今年度も8月までの累計発売金額は約47億余円(対前年比74・9%)とさらに厳しい状況となっている。 ここ3年は収益金を積み立てた基金でマイナス分を補てんしてきたが、残高も底をつきつつあり、来年度の赤字転落は確実となっている。 この日の委員会では「行財政への貢献が失われたのだから廃止すべきだ。県民のためになる」「1日も早く整理して、その後、どうするかを検討すべきだ」など廃止の方向での意見が相次いだ。【西口宏】 9月14日朝刊 (毎日新聞) - 9月14日16時40分更新 オグリの故郷消える、笠松競馬廃止へ 名馬オグリキャップや、「アンカツ」の愛称で親しまれている安藤勝己騎手(44)を中央競馬へ送り出した笠松競馬(岐阜県笠松町)が、廃止の方向で検討されていることが14日、明らかになった。存続を検討している県の第3者機関「経営問題検討委員会」が13日の中間報告でまとめたもの。売り上げ減少のため93年度から赤字が続いており、存続が厳しい情勢となった。地方の名物競馬場がまた1つ消えてしまう可能性が出てきた。 「利益確保の見通しがなく自立的な経営は困難で、速やかに廃止すべきだ」。笠松競馬に対する経営問題検討委員会の中間報告は、手厳しいものだった。 同競馬場の売り上げは80年度の445億円をピークに減少傾向が続き、93年度からは単年度赤字が続いている。昨年度は173億5136万9500円まで下がった。一時は58億円もあった収益基金も昨年度末で約5億5000万円まで減り、今年度で底をつく可能性がある。 事態を重くみた岐阜県では今年4月、支援のための「地方競馬対策室」を設立、再建にあたる一方で、県内の有識者ら24人からなる経営問題検討委員会を6月に初めて開催した。2回目の今回、廃止の意見がまとめ上がった。これまでの討議でも「経営が構造的に破たんしている」「収益分配で果たすはずの地方財政への貢献は、(赤字では)期待できない」など厳しい指摘が出た。 11月には最終報告を同委員会でまとめて対策室に提出の予定。同室の宮田敏光室長(49)は「JRAは売り上げ増を見越して先週から3連単の全国発売を開始したが、笠松では導入していない。導入するには準備のための資金がかなりかかる。報告を尊重して、笠松競馬を運営している県地方競馬組合をつくる岐南町、笠松町と協議のうえ、来年以降の開催についての最終的な判断をしたい」と話している。 笠松競馬場では今月7日に「名馬、名手の里 ドリームスタジアム」という愛称を決めたばかり。91年1月に行われたオグリキャップの引退式では約2万7000人が詰めかけ、スタンドに入れなかったファンが向正面の先にある木曽川の土手に上がって別れを惜しんだ。12日にJRA通算400勝を挙げたばかりの安藤騎手もかつて所属した、東海公営の名物競馬場の存続は困難な情勢となってきた。 (日刊スポーツ) - 9月15日8時34分更新
by ashigenoanchan
| 2004-09-21 21:57
| これは気になる
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